交通事故での怪我は、身体に衝突の衝撃が伝わり起こる怪我が多いです。
事故にあった直後はなんともなかったが、数時間後、長ければ数年後に
身体に違和感・痛みが生じた…いうのも、患者様からよく聞くお話です。

追突事故で多いケガ・症状

追突事故は、交通事故の中で最も発生率の高い事故で、とても身近に起こりうる交通事故です。
追突事故はどんなに気を付けていても巻き込まれる可能性があり、後続車に追突される事故が多いため、身構える前に強い衝撃が身体に加わってしまいます。
無防備な状態で身体に大きな負担がかかるため、強い痛みを伴う怪我をする場合や、骨折などの入院をしてしまうような大怪我をしてしまう場合もあります。
ここでは追突事故で多い怪我と症状を紹介しますので、いざという時の参考にしてください。

追突事故

むち打ち

追突事故での怪我で最も多いのがこの「むち打ち」です。
追突による衝撃で首が前後に振られることで、頚椎(首の骨)に負荷がかかり損傷をしてしまいます。
症状としては

・首の痛み
・背中や腕のシビレ
・頭痛やめまい
・耳鳴りや吐き気

など様々な症状があり、放っておくと痛みが長期的に続き後遺症を残してしまう可能性があります。

腰椎捻挫

この「腰椎捻挫」も追突による衝撃で身体が振られることで、腰椎(腰の骨)に負荷がかかり損傷をしてしまう怪我になります。
腰椎捻挫とは「ぎっくり腰」と同義語なので、ぎっくり腰をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
症状としては

・腰の痛み
・動き出し(立ち上がる時や起き上がるとき)の痛み
・前屈みや腰を捻る動きでの痛み

などがあり、朝起きたときに起き上がれないほどの痛みが出てしまうこともあります。

ハンドル外傷

運転席に乗っていた場合にハンドルに胸やお腹の上を打ちつけてしまうことを言います。
胸を強打することで「肋骨骨折」をすることが多く、強い衝撃での骨折になるので、折れた肋骨が肺に刺さってしまうこともあり、とても危険な怪我になります。
腹部を打ちつけた場合には肝臓や膵臓、十二指腸など内臓の損傷をしてしまう恐れがあります。

ダッシュボード外傷

助手席に乗っていた場合にダッシュボードに足や膝を打ちつけてしまうことで起こる怪我です。
膝を強打することで「膝蓋骨骨折(膝のお皿)」や、さらに膝からの衝撃で「骨盤骨折」や「股関節脱臼」を起こすこともあります。

接触事故で多いケガ・症状

接触事故と一口に言っても「車ー車」「車ー歩行者」「車ー自転車」など様々な事案があります。
ここでは「車ー歩行者」の歩行者側に多い怪我をまとめていきます。

接触事故

骨折

歩行中に車と接触した場合、緩衝するものがなにもなく身体に直接衝撃がかかってしまうので、骨折をしてしまう可能性が非常に高くなります。
骨折する骨は接触のケースにより様々ですが、下半身(大腿骨・脛骨・腓骨)の骨折が多くみられます。

打撲

打撲とはいわゆる「打ち身」と言われるものです。
接触した部位の骨折がなくても、車と衝突をすることで筋肉や軟部組織の打撲をしてしまい、足の打撲が強ければ、歩行が困難になってしまう場合もあります。

捻挫

捻挫とは骨と骨とを繋ぐ靭帯(じんたい)を損傷してしまうことです。
車と接触をして転倒をする際に捻挫をしてしまう可能性があります。

・尻もちをつき腰を捻って「腰椎捻挫」
・倒れた際に首が振られて「頚椎捻挫」
・足首を捻って「足関節捻挫」
・膝を捻って「膝関節捻挫」
・手を地面につき「手関節捻挫」
・手をついて肩を捻って「肩関節捻挫」

など、接触後の転倒で捻挫をしてしまうケースは多くあります。

自転車事故で多いケガ・症状

自転車事故は被害者でも加害者でも転倒はほぼ避けられません。
自転車に乗っていて車や歩行者、自転車同士での接触をしてしまった際にはどのような怪我があるのかを紹介していきます。

自転車事故

むち打ち

転倒した勢いで首が振られてむち打ちになってしまいます。
自動車の追突事故とは違い首が前後に振られるわけではなく、左右に振られる可能性もあるので、損傷に具合が重度になってしまうこともあります。

打撲

転倒した際に地面に身体を打ちつける、または自転車に身体をぶつけてしまうことで打撲をしてしまいます。
衝突した際のスピードで打撲の具合は大きく変わります。

捻挫

接触をして転倒をした際に足をついて足首や膝の捻挫、手をついて手首や肘や肩の捻挫をしてしまいます。
転倒をしないように足で踏ん張ったり、手で受け身をとった際に捻挫は起こりやすいです。

筋挫傷(肉離れ)

肉離れも捻挫と同じように、転倒を防ぐように足で踏ん張った際などに多く起こります。
足で踏ん張った時に、下腿三頭筋(ふくらはぎ)や大腿四頭筋(太もも)や大腿二頭筋(太もも)の筋肉を肉離れしてしまうことが多くあります。

擦過傷

いわゆる「擦り傷」です。
自転車での転倒はその場で転倒するよりも転倒した勢いで地面との摩擦が起こることが多いので、擦過傷は起こりやすい怪我になります。

バイク事故で多いケガ・症状

バイク事故は生身でスピードを出して走るので、非常に強い衝突を身体に受けます。
自動車事故よりも大きな怪我をする可能性が高く、最悪の場合、脊髄損傷や脳挫傷などの重篤な症状や、死に至ってしまう大怪我をしてしまうこともあります。
ここではバイク事故では避けられない転倒に関する怪我の紹介をしていきます。

バイク事故

足や腕の怪我

バイク事故では運転手が前方に投げ出されるケースが多く、その場合は頭を守るために膝や手から着地をするように動きます。
その際に地面についた部位の「骨折」「打撲」「捻挫」などの怪我、腕や足への衝撃による「肉離れ」も考えられます。
また、足に関しては地面とバイクに挟まれて怪我をしてしまう場合もあります。

顎(あご)の怪我

頭は人体の中でも重い部位になります。
その上で前方に投げ出されるケースが多いため、腕や足で頭を庇ったとしても顎が地面に叩きつけられてしまう可能性はあります。
その際に「下顎骨骨折」「打撲」「顎関節脱臼」などの怪我が考えられます。