「新型コロナウイルス」の影響で自宅待機を余儀なくされている方々が増えてきています。

不要な外出を控えるようにと言われてしまうと、テレワークや在宅勤務などPCやタブレット端末、スマートフォンを扱うことが増えているかと思いますが、最近、肩こりや腰痛などを感じてはいませんか?

今回は、身体に痛みの出ない、テレワークや在宅勤務を行うための工夫についてお話したいと思います。

オフィスと自宅での作業環境の違い

会社内ではPCや書類を書くなど、卓上の作業をするために適しているものや調節が効く机とイスがあるかと思います。

しかし、ご自宅ではなかなかそのような環境が整っていないでしょう。

そのため、ご自宅での作業となると様々な姿勢で仕事を行うことが考えられます。

今回は5つの例をあげます。

よい姿勢と改善点をあげていくので、ご自身の仕事をしている環境にあわせてご覧ください。

1.机とイスがオフィス同様の環境である場合

オフィス同様の机とイスがある場合ですが、周囲の目線を受けずに作業できます。

その場合、姿勢に意識せずに作業を行う場合があります。

意識をしていないと、背もたれに寄りかかり、頭は前にでてしまっていたり、

極端に机に身体をよせつけて座り、肩をすくめた状態で作業する方もいるかと思います。

この状態では、肩こりや寝違えの原因になります。

2.ダイニングテーブル、イスを使って行う

ダイニングテーブルは、理想の高さより少し低い物になります。その状態で作業をすると

股関節が深く曲がった状態になり、腰を伸ばす筋肉も弱くなってしまうので「骨盤が後ろ」に倒れてしまいます。

骨盤が後ろに倒れると猫背になってしまうため、腰から首にかけての違和感や痛みが出やすくなります。

また、画面や書類を見るために下を向いている姿勢や、顔を近づけて物を注視する姿勢を長く続けると、首の筋肉に負担がかかってしまいます。

人によっては頭痛を起きてしまう方も…。

3.座イスや床に座りながら行う

座イスや床に座りながらローテーブルや太ももの上にPCを置いて作業をすると、イスに座りながら行うよりも、股関節は深く曲がり、お尻全体で床を圧迫します。

この状態は、ダイニングテーブルで作業される時に比べて、より骨盤が後ろに倒れてしまうので、猫背が酷くなります。

猫背の状態が酷くなると、腰から肩への痛みや違和感、巻肩も強くなるので、四十肩・五十肩につながります。

4.ソファーに座って行う

ソファーに座って作業する時、通常のイスよりも腰が深く沈みこんでしまいます。

ダイニングやリビングのイスを用いての作業の時よりも骨盤が後ろに倒れた状態になりやすいです。

また、足を投げ出してソファーに座ってしまうと、自然と脚を組んでしまう方もいらっしゃるかと思います。

脚を組んでいる姿勢は、お尻の筋肉にかかる負担が左右で変わります。

その状態が続くと、骨盤の歪みや骨盤周囲の痛みの原因になってしまいます。

5.床でうつ伏せになりながら

普段からうつ伏せで背中を反らせ、本やスマホ・タブレット等をみている方もいらっしゃると思います。

この姿勢は、骨盤が前に倒れた状態になるので腰の筋肉に負担がかかります。

また、肘で身体を支えるので背中の筋肉や肩周りの筋肉に負担がかかります。

自宅の作業環境の改善点

身体の痛みが出てしまうと作業をするのが辛くなり、作業時の姿勢もより崩れてしまいます。

ここではご自宅の仕事環境に合わせた改善点をお伝えしていきます。

1.机とイスがオフィス同様の環境である場合

すでにご自宅に仕事用の机やイスをお持ちの方は正しい座り方、骨盤を立てて座ることを意識して実践してみましょう。

イスに深く腰を掛け、背筋立たせます。

足の裏がしっかりと床に付き膝と股関節が90度曲がった状態。

この座り方をすることにより骨盤の前後のバランスが整いやすいので骨盤を立たせることができます。

更にあごを少しひいて、頭が前にでるのを防ぎます。

この形が理想的な座り方になります。

ポイントは、骨盤を立てて左右の「坐骨」で座ること。

そして、あごをひき、頭が前にでないようにすること。

その座り姿勢の時に理想的な机の高さや位置として、腕机に置いた時に肘関節が90度曲がるくらいで手を机に置いてみましょう。

いかがでしょうか?

その姿勢に慣れないと感じる方もあると思いますが、この座り方が正しい座り方になります。

この座り方を意識して作業してみましょう。

もしご自宅にイスや机がない場合、ご自宅にあるのもを使って高さを調節してみましょう。

2.ダイニングテーブル、イスを使って行っている場合

クッションがなければ週刊誌や新聞紙でも構いません。

重ねて高さを作りましょう。

イスの脚が長く、足の裏が床につかない場合は足をつける床面に物を置いてみましょう

物は何でも構いません。

カラーボックス・新聞紙や雑誌などを積み重ねたもの

この物を置いて高さを調節するのは、テーブルが低く過度に下を向いてしまって首に負担がかかっている場合にも応用できます。

3.座イス・床に座り作業をする場合

座イスや床に座りながらの作業は、正しい座り方が物理的にできることが出来ませんが、骨盤を立たせる工夫は出来ます。

部屋の壁を背もたれ代わりに使う

腰よりも少し上の部分にクッションを入れてみましょう。

そうすると背中が丸くなってしまうと入れているクッションが落ちてしまうので、自然と背中を立たせることになります。

クッションがない場合、少し大きめのぬいぐるみでもいいと思います。

座イスの座り方

座イスお尻を座面の深い位置におきましょう。

深く座ることで、骨盤が後ろに倒れるのを防ぎます。

机があっても高さが合わないと首に負担がかかってしまうので、クッションを太ももの上に乗せて

高さを作りましょう。

ローテーブルを使っている方で頭が極端に下を向いてしまう場合、ローテーブルの上に物を置いてみましょう。

置く物は雑誌や新聞紙で大丈夫です。

4.ソファーに掛けて行っていた場合

・ソファーの座面に座るのではなく、脚の部分を背もたれに使ってみましょう。

ソファーは構造上、テレワーク・在宅勤務に向いていない作りになっています。

ですが、ソファーの脚の部分を使えば座イスと同じような姿勢がとりやすいと思います。

5.床にうつ伏せになりながら行っていた場合

できればこの姿勢は避けましょう、床に座って行いましょう。

どうしてもこの姿勢でしか行うことしかできない(腰の痛みが強すぎて座っていられない、ギックリ腰など)場合は、お腹の部分に枕やクッションを入れましょう。

首には負担がかかったままになりますが、この姿勢の方がただ伏せるだけよりは良いです。

まとめ

今回はテレワーク・在宅勤務を行う際に身体にかかる負担と、自宅での環境改善方法や工夫についてお話させていただきました。

当院も最近、テレワーク・在宅勤務での肩や腰の痛みを感じている患者様が増えています。

この記事を参考にして頂き、より良い作業環境をみつけてみましょう。